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PCクラスタを用いた並列3次元形状復元システムの開発

担当:松山 隆司,東海 彰吾(京都大学)
実世界の対象の3次元形状をリアルタイムに計測・復元することは,実世界の 状況把握だけでなく,実世界の対象の映像化のためにも必要な技術である.昨 年度は,3次元形状復元の一手法である視体積交差法において,平面から平面 への投影が線形演算で実行できることを利用した高速形状復元アルゴリズムを 開発し,6台の視点固定型パン・チルト・ズームカメラを用いて対象の3次元 形状復元を行った.視体積交差法は,複数の視点で得られた対象の2次元シル エット像を3次元実空間に逆投影し,それらの積演算を行い対象の形状を復元 する方法である.したがって,カメラの台数を増やすほど精度の高い3次元形 状の復元が可能になるという特徴がある反面,多数の映像データを同時に取り 扱うための計算量,メモリ量が増加するという問題点があった.また,シーン の状況に応じた能動的な形状復元についても検討されていなかった.

そこで,今年度は10台のPCを高速な計算機ネットワークで接続したPCク ラスタシステムに9台の視点固定型パン・チルト・ズームカメラを接続したシ ステムを用い,より高速に3次元の形状復元を行うことを考え,

を行った.

並列アルゴリズムとしては,昨年考案した平面を利用した高速アルゴリズムに 含まれる処理を並列化したものとして,

の2種類のアルゴリズムを開発した.

また,カメラの視線制御と撮影に関しては,

を行う,2段階処理法を採用し,広視野な視点固定型パン・チルト・ズームカ メラでの能動的,効率的処理を実現した.

これらの手法をPCクラスタに実装し計算機間のデータ通信の量や並列処理の 中での同期のオーバヘッドなどを評価した.実験として部屋の天井に設置した 9台の首振りカメラを用い,静的なシーンとして等身大マネキンの形状復元を 行った結果を図2.30に示す.現行のシステムでの処理時 間は,1サイクル(カメラの視線,ズーム制御を含む)あたり20〜30秒程 度である.

Figure 2.30: 3次元形状の復元例(2段階処理)
\begin{figure}
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\psbox[width=0.525\textwidth]{TOKAI/step-coarse.eps}\\
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Step1 (Coarse)
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\psbox[width=0.525\textwidth]{TOKAI/step-fine.eps}\\
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Step2 (Fine)
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\psbox[width=0.52\textwidth]{TOKAI/result-shape.eps}\\
\end{center}\end{figure}
Reconstructed Shape (mannequin)



wsbmaster@vision.kuee.kyoto-u.ac.jp