ここでは、単独あるいはチームとしての他のロボットの行動理解という認識 機能を実現するための方式として、環境のモデルをロボット自身が学習を通し て構築し、それに基づいて行動するというものを採る。この方式では、学習さ れたモデルの妥当性や、いわゆる認識・理解の深さが、ロボットの物理的行動 として現れ、行動を評価することによってロボットの持つ認識能力を測ること ができる。
具体的な問題設定としては、ロボットによるサッカー競技を取り上げ、ドリブ ル、シュートなどの個々のロボットの行動、パス、センタリングなどの複数ロ ボット間の協調行動、さらにはブロックなどの競争行動を視覚に基づいた学習 によって獲得するための方式の開発を目指す。この問題は、敵、味方に分かれ た多くのロボット群が存在するという環境の中で、他の個々のロボットの行動 理解及びチームとしての行動戦略パターンの理解などといった高度な視覚認識 の問題を含む。
視覚に基づくロボットの多種行動の獲得研究の実験環境