人間の情報処理の理解とその応用に関する研究

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平成13年度の研究成果のまとめと今後の展望

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(4)研究構成

人間と共生する機械(情報システム)を実現するための具体的研究課題として,1. 研究目標 で挙げた I 〜 IV の課題についての研究を推進するために,本柱では以下の研究体制を構成し,計画班,公募班が一体となった組織的研究を行っている.

この研究体制は,まず柱全体の展開を支える基盤研究として,

  1. ヒト(動物としての人間)の特性や行動パターンを多角的観点から解明し,得られた知見に基づいて人間と共生する機械を実現するために,
  2. 中核的要素技術としてのマルチメディア情報処理手法の開発
  3. II を踏まえたヒューマン・マシン・リアルタイム・インタラクションの実現
  4. II および III を総合化した共生型ロボットの実現

というアプローチを採るという考えに基づいて編成されている.

具体的な研究構成では,II を I−1 認識・理解技術と II−2 生成・提示技術に分け,以下のような合計5グループの編成を採っている.

I. 「ヒトを知る」:

機械が自律的に人間の行動や意図を理解するには,まずヒトの特性や行動パターンを解明し,得られた知見に基づいて共生のために必要な機能を考える必要がある.具体的には,本課題では,知覚と行動の動的相互作用に焦点を当てた,神経生理学および心理学の立場からの人間の情報処理機能の解明を行う.

II‐1. 「人を観る」:

共生を実現するには,機械が人間の状態をリアルタイムかつ能動的に観測する必要がある.本課題では,日常生活環境における人間の行動や動作・仕種をマルチメディア情報として観測し,その心理状態や意図,くせなどを理解するための言語・音声・画像・力学メディアを統合したマルチメディア情報認識法・システムを開発する.

II-2. 「人を魅する」:

共生を実現するには,機械が自発的かつ効果的に人間に働き掛けを行うとともに,人を魅了するような情報提示を行うことが必要となる.本課題では,そのための力学メディアも含めたマルチメディア情報の生成・提示法およびシステムの開発を行う.

III. 「人と交わる」:

共生を実現するには「しっくりとした」(意識的,無意識的)コミュニケーションがなされなければならない.本課題では,身体およびマルチメディアを介したマルチモーダルなヒューマン ⇔ マシン・リアルタイム・インタラクションの実現法およびそれを利用した共生型情報システムの開発を行う.

IV. 「人と暮らす」:

人と共に暮すには,機械が日常生活環境にうまく馴染まなければならない.本課題では,身体性の持つ情報学的意味の解明(「共生型情報システムには身体が必要か?」)および知覚系・行動系を動的に統合化した共生型ロボットシステムの実現を目指す.

以下では,これまでの研究によって得られた主な成果を上記の I 〜 IV の課題ごとに整理するとともに,各課題の研究に係わる計画研究,公募研究の連携体制についても示す.

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