多機能高精度視覚センサの開発

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通常のTVカメラは人が見るための画像を撮ることを目的として設計され ており、コンピュータに画像を入力し処理するための撮像装置としては多くの 問題点や限界がある。我々は、絞り、フォーカス、視線の位置・ 方向などのカメラパラメータを規則的に変化させながら多数の画像(多重画像) を撮影し、それらを統合することにより、高精度かつ通常のTVカメラでは撮影 できない情報を持った画像を生成・合成する手法を提案し、その有効性を実験 によって示してきた。 本プロジェクトでは、多重画像の統合という考え方に基づいた多機能高精度視 覚センサの開発を目指しており、このことは本プロジェクトの大きな特徴の1 つとなっている。これまでに実世界での有効性が確認されたものとしては、 次の2つのものがある。
  1. 多重フォーカスカメラ: 多重フォーカス画像を用いた実時間3次元距離計測用カメラ
  2. Appearance Sphere (APS): 首振りカメラを用いた全方位画像の生成

多重フォーカスカメラ
通常の3CCD TVカメラを改良して実時間で多重フォーカス画像が撮影できる カメラを試作し、基本性能の評価を行った。その結果、実用的な実時間距離 センサを実現するにはまだ幾つかの点についての研究・開発が必要であるが、 十分期待が持てることが分かっている。

カメラモデル

多重フォーカス画像を用いた3次元距離計測


Appearance Sphere (APS)
基本的アイデアと予備実験結果については、添付したシンポジウム論文を参照。 これまでに、APS画像が撮影できるカメラ雲台の試作が終了し、現在 はその性能評価、APS画像から任意のパン、チルト方向の画像生成を実時間で 行うソフトウェアの開発を進めている。APSは、首振りカメラを利用した視覚認 識や3次元シーンに関する動的な映像生成など様々な問題に利用可能な映像撮 影法・視覚環境モデルである。本プロジェクトでは、APSを観測ステーション における基本撮像機構と考え、現在APSを利用した様々な画像認識・生成ア ルゴリズムの開発を進めている。
試作したAPSカメラの絵
Appearance Sphereの概念図

実際に撮影された画像から作成したAppearance Sphere(カメラのパンに対応)


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