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システム開発

システムを構成する上で最も重要なのは,PCのバス転送能力である.画像取り 込みボードが実時間で画像を入力可能であっても,それをメモリに転送するた めのバス性能が十分高くなければ,実際には実時間入力ができない.今回開発 したシステムでは,CPUとしてIntelのPentium-II(266MHz),バスコントローラ として同じくIntelの440LXを搭載したPCを利用したgif

フレーム同期のためのトリガ入力はPCのパラレルポートを利用し,パラレルポー トにスタート入力が与えられるまで待機し,トリガがかかると直ちに取り込み が開始されるような,OSレベルでの制御プログラム(デバイスドライバ)を作 成した.また,OSが管理する仮想空間内には連続した大量のメモリ領域を確保 することが難しいので,OSが管理しない実メモリ領域を設け,そこに入力され た画像データを格納するようにしているgif

試作したシステム(図6参照)の仕様は以下のようなもの である.

   figure281
Figure 6: 多視点同期動画像記録システムの構成

[ハードウェア]
画像取り込みボード:
Matrox Meteor NTSC/RGB
640 tex2html_wrap_inline2235 480画素/フレーム,30フレーム/秒,RGB各8ビット
PCマザーボード:
ASUS P2L97(チップセットIntel 440LX)
CPU:
Intel Pentium-II 266MHz
Memory:
128MB(384MBまで増設可能)
トリガ入力:
パラレルポートを使用

[カメラ部]
カメラ:
Sony XC-003 RGB出力(外部同期)
Sync Generator:
Tektronix TSG 200

[ソフトウェア]
OS:
FreeBSD 2.2.5
Meteorデバイスドライバ:
FreeBSD付属のものを改変(トリガ入力の処 理と実メモリ空間操作)
画像読み込みプログラム:
Cにより記述

なお,カメラ系がNTSCベースであるため,高速に動く対象を撮影した場合,フ レーム単位の画像は飛び越し走査の影響を受ける.影響が大きい場合は,偶数 フィールドと奇数フィールドに分けて処理する必要があるgif

各カメラのフレームが同期していることを確認するために,ビデオの垂直同期 信号で動作するカウンタを作成し,それを複数のカメラで撮影した.このカウ ンタは垂直同期信号が入力される度に1ずつカウントアップし数字を表示する ものである.このカウンタを全てのカメラで撮影し,以下の点を確認すること によって,正しく同期のとれた多視点動画像が入力されることを検証した.な お,カメラが飛び越し走査をしているので,偶数フィールドと奇数フィールド に分けて確認を行った.

開発したシステムでは,上記2つの点が確認できており,同期のとれた多視点 動画像を獲得できるマルチカメラシステムが実現できたことになる.