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昨年度行った第1回〜3回のプロジェクト研究会に引続き,本年度は,以下に
示す第4回から第10回の研究会を開催し,プロジェクトのメンバによる研究
発表,討論を行った.
- 第4回プロジェクト研究会(平成9年4月16日,京大会館)
出席者:松山,美濃,和田,角所,亀田,東海,日浦,石黒,
浅田,細田,鈴木,佐藤,影沢,尺長,向川,谷口,杉本
内容:新年度から新たに参加したメンバ紹介,プロジェクト全体の状況
について説明があった.引続き,以下の2件の研究報告が行われ,内容について
議論した.
- 佐藤(東大)
「多視点画像からの実物体の形状およびに反射特性のモデリング」:
複数の
カラー画像と距離画像から精度良く現実感の高い物体モデルを得るための方法
として,幾何形状と表面の反射特性を反映したモデルを用いる方法について報
告した. - 浅田(阪大)
「状態空間と行動空間の相互依存性及び双対性に関する私論」:
移動ロボッ
トのビジュアル制御における「状態」概念と情報科学における「状態」の考え
方の接点や相違点についての議論が行われた.
- 第5回プロジェクト研究会(平成9年5月23日,大阪大学)
出席者:松山,和田,東海,日浦,亀田,浅田,細田,鈴木,
谷口,吉田,影沢,向川,杉本
内容:以下の3件の研究報告が行われ,内容について議論した.
- 杉本(日立)
「多視点画像の幾何学について」:
多視点画像から求められる幾何学的不変量や多視点画像間の拘束条件を中心
に,多視点から得られた画像の幾何学的な関係についての研究紹介. - 谷口(九大)
「画像処理用PC Clusterの開発について」:
製作中の画像処理用PC Clusterの概要と簡単な評価実験につ
いて報告した. - 和田(京大)
「時系列画像を用いた動作認識のための状態遷移モデル」:
動画像データか
ら対象の動作を認識する状態遷移モデルについて説明した.状態という概念に
ついての幾つかの見解について議論があり,今後さらに議論を深めていくこと
になった.
- 第6回プロジェクト研究会(平成9年6月21日,京都大学)
出席者:松山,和田,東海,日浦,美濃,角所,亀田,石黒,
浅田,谷口,吉田,出口,佐藤,尺長,向川,杉本
内容:プロジェクトの各メンバの今年度の活動計画と成果目標について
の報告を行い,内容について議論した.
- 松山(京大)
「CDVへの道」:
分散協調視覚を構成する基本機能として視覚,行動,コミュ
ニケーションを取り上げ,それらを用いた分散協調視覚システムの構成法につい
て説明した. - 和田(京大)
「複数の観測ステーションを用いた対象の追跡・動作認識」:
複数カメラによる運動物体追跡,動作認識について説明した.また,京
大松山研での分散協調視覚実験室の整備計画について説明した. - 東海(京大)
「複数のカメラを用いた動的なシーンの映像生成」:
昨年度開発したAPSカメラを用いた映像生成法として,
動的なシーンの変化を反映した映像生成法および,
運動物体が含まれるシーン映像からの静止背景画像の生成につ
いて説明した. - 日浦(京大)
「多重フォーカスカメラによる距離計測」:
3CCD方式の多重フォーカスカメラの性能評価と,アパーチャ形状
制御による距離計測,ズーミング,フォーカシング制御による能動
的距離計測について説明した. - 谷口(九大)
「実時間画像処理向けPC Clusterのソフトウェア」:
PCクラスタによるモーションキャプチャを具体例として,そのための
ソフトウェアの開発について報告した. - 吉田(九大)
「「黒板」を用いた複数エージェントのコミュニケーション」:
動画像などのストリームデータを通信するための枠組として,「黒板」を利用した
データ通信メカニズムを提案し,そのソフトウェアの開発について報告した. - 出口(東大)
「分散協調視覚による動的3次元状況理解」:
キャリブレーションが不要な多視点ステレオ法や,マルチエージェン
トシステムに基づく認識,状況理解法について説明した. - 佐藤(東大)
「分散協調視覚プロジェクト平成9年度研究計画」:
手の動作の詳細な3次元情報を検出するための方法と,
そのための複数視点距離画像撮影システムの整備について報告した. - 尺長(岡大)
「分散協調視覚による人物検出/追跡/登録/認識」:
人物の検出や個人識別を目的として,個別部品照合の方法やその構造照
合法の検討および人物の検出・追跡と顔の検出/認識について基本的
考え方を説明した. - 杉本(日立)
「多視点画像の幾何学」:
多視点画像の各画像間の特徴点や特徴量,及びその不変量,
特にコニックについての検討と,多視点からの動画像の上での不変量につい
て説明した. - 石黒(京大)
「分散視覚」:
複数の全方位画像を用いた移動物体の移動経路抽出について報告した. - 浅田(阪大)
「視覚に基づくロボットの多種行動の獲得及び統合方式の開発」:
サッカーロボットを具体的な例として,各ロボットの行動学習,チームプレー
の学習について考える.コミュニケーションは,perception+actionの結果
獲得するものと考える.自分の環境への働きかけに対する他者の反応から自
分の中の他者のモデルを更新していく. - 亀田(京大)
「現実連動世界」:
分散協調視覚による実時間の視覚データと,非視覚データの統合によ
り得られる現実連動世界の構築を目指し,講義室における講師と生
徒を具体的な例として,講義室内での3次元的な位置や形状変化の抽
出とモデルとの照合,映像化を目標とする.
- 第7回プロジェクト研究会(平成9年8月9日,京大会館)
出席者:松山,美濃,和田,角所,東海,日浦,浅田,鈴木,谷口,
出口,尺長,向川,杉本
内容:10月開催の国際ワークショップの準備の打ち合せの他,以下の
3件の研究報告が行われ,内容について議論した.
- 出口(東大)
「視覚サーボについて」:
予め与えられた画像と一致する画像を撮影することができる撮影地点にカメラ
を近付けていくためのロボットアーム制御機構について説明を行った. - G.V.Paul(東大池内研)
「Projection and Interpolation on C-Surface」:
人間の動作を視覚的な情報に基づいて真似るロボットの実現に向けて,
操作対象の位置を C-Surface という概念で記述するための方法につ
いて説明した. - 吉岡(京大松山研)
「IMAP VISION ドライバの実装について」:
プロジェクトの共通ハードウェア基盤として使用予定の,SIMD型の
並列プロセッサアレイをベースとした画像処理ボード IMAP-VISION
を PC-UNIX で使用するためのドライバ製作について報告した.
- 第8回プロジェクト研究会(平成9年9月16日,京都大学)
出席者:松山,和田,角所,亀田,日浦,浅田,谷口,影澤,佐藤,向川
内容:10月開催の国際ワークショップについての準備を含めた以下の
事項についての打ち合せおよび報告が行われ,内容について議論した.
- 和田(京大)
「国際ワークショップに関する打ち合わせ」:
学会などへの広報,当日の講演内容,デモ内容などについての打ち合
せを行った. - 物部(京大松山研)
「IMAP-VISION プログラミング解説/デモ」:
IMAP-VISION利用のた
めのドライバソフトの現状説明と関連ソフトウェアの準備状況,具体的なプログラミン
グ開発環境について説明した. - 浅田(阪大)
「RoboCup'97 報告」:
名古屋で行われた RoboCup'97 についての報告と今後の展開について
説明した.
- 第9回プロジェクト研究会(平成9年12月23日,京都大学)
出席者:松山,美濃,和田,角所,亀田,東海,日浦,
浅田,出口,池内,影沢,尺長,向川,吉田
内容:各研究拠点での本年度の研究状況の報告と来年度の研究計画の説
明を行い,内容について議論した.
- 和田,日浦(京大)
「京大松山研の状況報告と研究計画」:
今年度は,分散協調視覚システムのための基盤整備,高精度視覚センサの開発,
移動対象の協調的監視,認識について成果があった.来年度は,それ
らの高性能化,高機能化を行う予定である. - 美濃(京大)
「京大美濃研の状況報告と研究計画」:
今年度の成果としては,現実同期空間生成のシステムについての検討
と複数カメラからのビデオ送出法があげられる.来年度は,これらの
機能の向上や対話的処理について研究を行う予定である. - 浅田(阪大)
「阪大浅田研の状況報告と研究計画」:
今年度は,RoboCup97というイベントに歩調を合わせた研究の進展が
あり,サッカーロボットの動作学習について成果があった.来年度も,
RoboCup98への参加を念頭に置き,チームプレーの学習などについて
研究を進める予定である. - 出口(東大)
「東大出口研の状況報告と研究計画」:
多視点画像からの情景理解のための幾何学,そのための協調計算アー
キテクチャ,能動視覚などについての研究の現状と,来年度の研究
計画について説明した. - 吉田(九大)
「実時間エージェントシステム構築のためのプラットフォーム」:
センサ情報からモデル推定を行うためのシステムについて考え,その
ためのソフトウェアアーキテクチャについて研究を進めている.分散
協調型の多体軌跡推定や並行制約プログラミングに関する研究成果を踏
まえて,その計算モデルの設計やシステムの試作などを行う予定であ
る. - 尺長(岡大)
「分散協調視覚による人物検出/追跡/登録/認識」:
人物像や顔の検出/追跡,顔の登録/認識について説明があり,来
年度は,IMAP-VISIONの利用による実時間システムの構築を進め
る予定. - 池内(東大)
「分散協調視覚に基づく人間行動観察学習ロボットの開発」:
人間の行動観察学習ロボットの基本的な2つのモジュール(観測モジュー
ル,実行モジュール)に関する具体的な技術内容について説
明した. - 谷口(九大)
「実時間画像処理向けPC Clusterのソフトウェア」(資料のみ):
今年度開発した,高速なネットワークを用いたPC Clusterによる画像キャプ
チャシステムを踏まえて,来年度は,画像処理プロセッサを統合した
モーションキャプチャシステムの構築とその評価を行う.
- 第10回プロジェクト研究会
(平成10年3月6日:東京大学生産技術研究所)
出席者:松山,和田,東海,日浦,亀田,浅田,細田,鈴木,
出口,谷口,吉田,池内,佐藤,木村,影沢,向川,杉本
内容:下記内容に関する研究報告と議論を行い,
来年度の研究計画を策定した.