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装着型能動視覚センサを用いた共生型情報システムの開発 (2004年10月22日)

【装着型能動視覚センサの開発】

視線測定装置とコンピュータ制御可能な2台の首振りカメラで構成される(へルメット型)装着型ビジョンセンサを開発した.このセンサは,カメラが装着者と視点を共有することで,装着者の視線情報を獲得することができる.
このセンサを用いて、以下の機能を実現し、共生型情報システムとして有効に機能することを実証した。

【1】3次元注視対象の動的認識

周囲の奥行きが場所毎に大きく変わる日常生活環境でも,正確に装着者の視線情報を検出する手法を考案した.また,このセンサによって得られる装着者の視線情報から,その人が注視しているかどうかをコンピュータが判断し,注視している場合には注視領域の奥行きや3次元形状を自動的に獲得する手法を考案した.

【2】装着型能動視覚センサを用いた手持ち3次元物体のディジタル化

物体を手で持ちながら色々な方向から見回している様子を、装着型能動視覚センサによって撮影した画像群から、物体の3次元形状・表面模様を計測する方法として、視体積交差法とステレオ解析を組み合わせた方法を提案し、実験によって手法の基本的有効性を示した。この機能を用いれば、陶器やバッグなどの商品を手で持って眺めるだけで、それらの3次元像が自動的に復元・記録され、日常生活の支援に活用できる。

【3】装着型能動視覚センサを用いた人物の移動軌跡推定

2台の装着型能動カメラをそれぞれ独立に注視点制御(2眼独立注視点制御)し,それによって得られる映像データから3次元世界における装着者の回転運動および並進運動を逐次的に推定する手法を提案した.これによって,装着者の3次元位置や運動が自動的に記録できるようになり,位置に基づいた情報提示(たとえば,博物館・美術館での展示物案内)が人間からの指示なしで行えるようになる.