複数の観測ステーションが関わる協調処理の最も基本的、かつ重要な機能とし ては、それらの協調によって、ある1つの移動対象を実時間で追跡し、対象に 関する多視点観測情報を統合することにより、その対象に関する詳細な(3次 元、運動)情報を獲得することがある。
こうした共同注視問題では、各観測ステーションで捉えた対象が同一の ものであるかどうかの認識が問題となり、そのために使う特徴および検証のた めのコミュニケーションをいかに行うかをまず考えなければならない(3.3. 3参照)。また、複数のカメラによって、異なった視点から見た対象の像が多 数得られるので、それらから対象の(3次元)モデルを作成することも考えら れる。さらに、一方のカメラの視野から対象が出た場合や新たに入ってきた場 合など、対象の多様な運動をうまく追跡するための観測ステーション間のコミュ ニケーション法も重要となる。
これらの技術課題を解決するための1つの方法として、先に述べた選択的能 動注視に基づく動作認識法を拡張することが考えられる。すなわち、