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複数の観測ステーションによる単一移動対象の共同注視

複数の観測ステーションが関わる協調処理の最も基本的、かつ重要な機能とし ては、それらの協調によって、ある1つの移動対象を実時間で追跡し、対象に 関する多視点観測情報を統合することにより、その対象に関する詳細な(3次 元、運動)情報を獲得することがある。

こうした共同注視問題では、各観測ステーションで捉えた対象が同一の ものであるかどうかの認識が問題となり、そのために使う特徴および検証のた めのコミュニケーションをいかに行うかをまず考えなければならない(3.3. 3参照)。また、複数のカメラによって、異なった視点から見た対象の像が多 数得られるので、それらから対象の(3次元)モデルを作成することも考えら れる。さらに、一方のカメラの視野から対象が出た場合や新たに入ってきた場 合など、対象の多様な運動をうまく追跡するための観測ステーション間のコミュ ニケーション法も重要となる。

これらの技術課題を解決するための1つの方法として、先に述べた選択的能 動注視に基づく動作認識法を拡張することが考えられる。すなわち、

  1. まず、ある同一の対象動作を複数の観測ステーションで観測し、各観測 ステーションにおいてその動作のモデルを事前に学習させる。
  2. ある観測ステーションでその動作クラスに対応する状態への遷移が起きると、 他のステーションにそれを通知する。
  3. 通知を受けた観測ステーションは、 その動作を認識するためのカメラアクションを行い、
  4. 複数の観測ステーションが互いの状態を参照しながら共同で認識処理を行う。
このように、イベント--アクションループを複数の観測ス テーションのグループに拡張することにより、シーン中の対象を多角的に観測 し、より信頼性の高い動作認識を行う共同注視による動作認識の機能を 実現することができる(図6)。

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Figure 6: 共同注視による動作認識