人間の情報処理の理解とその応用に関する研究

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2001年度の活動記録

2004 | 2003 | 2002 | 2001 

* 特定領域「情報学」A03 第1回計画班会議

概要
開催日: 2001年12月21日(金)
場所: 京都大学工学部電気系総合館大会議室
出席者: 松山、和田、杉本(京大)、佐々木、佐藤、岡部(東大)、入来、石橋(東京医科歯科大)、他各研究室の学生26名
内容: 下記のプログラムに従い、松山班におけるこれまでの研究成果の概要、それをふまえた特定研究で目指す研究の方向 について議論した。
その他: 次回は2002年1月15日に入来研究室で開催し、入来研究室の研究概要について議論することが決まった。
プログラム
タイトル: 分散協調視覚: プロジェクトの概要・成果と今後の展望
発表者: 松山(京大)
概要: 過去5年間、我々の研究室で推進してきた分散協調視覚プロジェク トの概要、および、そこで得られた研究成果を紹介する。また、それを発展させる形で進めている、3次元ビデオ映像の研究につ いても現状を紹介する。さらに、これらをふまえ、特定領域研究で推進する研究の目指す方向について説明する。
タイトル: 装着型能動視覚センサ: センサの校正とユーザの位置・運動の推定
発表者: 杉本、長友(京大)
概要: 我々の研究室で開発した、視線測定装置と能動カメラで構成される装着型能動視覚センサを紹介する。まず、見ている点の奥行きが変わるような現実的な環境下でも正確に視線情報を検出するキャリブレーション法について述べる。次に、2台の能動カメラをそれぞれ独立に注視点制御することによって、ユーザの位置および運動を逐次的に推定する手法について述べる。
タイトル: 拡張机型インターフェースEnhancedDesk:透明なインター フェースの実現に向けて
発表者: 佐藤(東大)
概要: ユーザが意識することなく利用できる透明なインターフェースを実現するためには、計算機端末を前提とした従来の枠組みを越え、現実世界におけるインタラクションを重視したパラダイムへのシフトが重要となる。このような背景のもと、我々はマルチメディアコンテンツなどの電子メディアと書類などの実在メディアの連携にもとづく拡張机型インターフェースを提案している。本講演では、この拡張机型インターフェースシステムEnhancedDeskの概略ならびに、両手指先位置の実時間計測による自然な直接操作や注視点情報の獲得と利用などについて紹介する。
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* 特定領域「情報学」A03 第2回計画班会議

概要
開催日: 2002年1月15日(火)
場所: 東京医科歯科大学入来研究室
出席者: 松山、杉本(京大)、佐々木、佐藤(東大)、入来、石橋(東京医科歯科大)、他各研究室の学生5名
内容: ・下記のプログラムにしたがって、入来研におけるこれまでの研究成果の概要説明を行った後、それをふまえた特定研究で目指す研究の方向について議論した。
・A03における柱としての研究の進め方について議論した。
プログラム
タイトル: 道具の推論的使用を担うニホンザルの大脳皮質神経メカニズム
発表者: 日原(東京医科歯科大)
概要: ニホンザルに因果関係の認知、結果の予測などの高次機能を必要とする課題を課し、その習得過程を行動学的に解析し、さらに課題遂行中に特異的に活動する脳内領域を絞り込んだ上、その領域 のニューロンの活動様式の検討を行い高次機能の脳内メカニズムの解明を目指す。
タイトル: 顔面行為の発現・認知によるコミュニケーションを担う頭頂葉皮質神経機構
発表者: 横地(東京医科歯科大)
概要: 表情表出に関与する顔面の動きは、異なる個体間における意味のコミュニケーションを可能にする上で重要な役割を担うと推測される。ニホンザルの大脳皮質頭頂葉後方下部領域より単一ニューロン活動を記録し、その活動様式と顔面行為の表出、認知機能との関連を解析することで、顔面行為の意味の共通理解の神経機構を解明することを目的とする。
タイトル: ヒト・サル間双方向性コミュニケーションとその脳内機構
発表者: 神代(東京医科歯科大)
概要: サルを対象として、異種間および同種間のコミュニカティブジェスチャーの理解と産出の点から、共同注意に基づくコミュニケーションについて研究している。具体的には、サルに視線や指さしを意図伝達手段となるよう訓練し、サルが他者との相互関係場面でそれらをどのように使用するのかを見ることにより、サルの認知やコミュニケーション能力を探る。また、同じくサルを対象として他者認知と自己認知も調べている。
タイトル: 自他鏡映認知の脳内分子機構
発表者: 石橋(東京医科歯科大)
概要: モニターなどを介した身体像操作を学んだサルを対象として、自己身体周辺に限局していた身体像が発達して抽象的な自己という感覚を身につける過程で起こる脳内変化を電気生理学的・分子生物学的解析からとらえる。
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* 特定領域「情報学」平成13年度第1回領域全体会議

概要
開催日: 2002年1月16日(水)・17日(木)
場所: 学術総合センター
内容: 領域の全体会議に引き続き、A03柱の各研究課題に関して研究代表者が研究概要を報告した。なお、プログラムは下記URLを参照のこと。
http://research.nii.ac.jp/kaken-johogaku/staff-only/H13zentai-program.html

* 特定領域「情報学」A03 第1回柱内研究会

概要
開催日: 2002年3月1(金)
場所: 東京大学生産技術研究所 駒場リサーチキャンパス E棟5階 Ew-501(3部会議室AB)
出席者: A03柱関係者26名、外部20名、計46名
内容: 下記のプログラムにしたがって、自律した情報システム(ロボット)と人間との関わりあい方、特にそこにおいてボディーイメージがどのような役割を果たすかについて議論した。
その他: 佐藤研究室(東大生研)見学
プログラム
タイトル: ボディ・イメージ操作にグラウンドされた論理思考
発表者: 入来(東京医科歯科大)
概要: ヒトは、進化の過程で直立したことにより歩行から解放された両手で道具を使うようになり、さらに道具を巧みに合理的に使うために脳神経経を発達させた結果、言語やシンボル操作の能力を得獲し、ひいては社会・文化を持つに至った、とする説がある。今後の研究では、神経生理的実験可能な霊長類であるニホンザルに複雑な道具使用を訓練し、道具使途の理解・目的の意図・手段−目的関係の認知・時系列の理解・推測に基づく問題解決能力を必要とする直接的道具操作課題と、抽象的な事物関係の認知・数・量の概念・推測能力を必要とする抽象的道具操作課題、の二つの課題を平行して行い、両者の発達過程の相互関係を行動学的、動的脳機能画像、神経生理学的手法の3つを組み合わせる統合的な神経科学的アプローチを用い、それらの脳内メカニズムの解明を目指す。このような身体像の生成と操作を要する行動学的解析を論理思考などの高次認知機能に延長する研究手法を用いることにより、これまで哲学や心理学の研究テーマだとされていたヒトの知性の科学的メカニズムの解明に貢献できると考えている。
タイトル: 知能への構成論的アプローチ
発表者: 石黒(和歌山大)
概要: 知能とは何かという基本問題に取り組むアプローチは脳科学、心理学、ロボット工学と様々である。このうち、ロボット工学の役割は、工学的アプローチによって人間と柔軟にかかわる機械を作り出し、その機械のメカニズムから脳科学や心理学における仮説を導くことである。また、基本的には工学的発想のもとに、開発を進めても、脳科学的知見や心理学的知見は、その開発において重要なヒントとなる。ここでは、構成論的アプローチと脳科学や心理学とのかかわりについて情報交換したい。
タイトル: 行為分節の構成論:スキルのコツ、自己認識、そしてロボット
発表者: 國吉(東京大)
概要: 連続的な感覚運動情報と分節化した行為概念がどうつながるかについて、人間のワザにおける「コツ」や「目の付け所」は具体的にどういうものか(佐々木先生)、感覚運動情報からボディイメージが形成される構造化原理は何か(入來先生)、またこれらの問題への構成論的アプローチに有用なロボットシステムの設計論(石黒先生)について、議論を投げかけたい。
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