next up previous contents
Next: 分散協調視覚の理論モデルの構築 Up: report98 Previous: 国際ワークショップの開催   Contents


研究成果の概要

本プロジェクトでは,有線・無線ネットワー クで結ばれた多数の観測ステーション(多自由度カメラ雲台を備えた実 時間3次元画像・映像処理装置)や視覚機能を備えた移動ロボットにより,動 的に変化する世界の状況を多角的に観測し,

1.
分散協調型状況理解:観測ステーション同士, 観測ステーションと移動ロボット,移動ロボット同士のコミュニケーション, 協調によって,動的に変化する実世界の多様な状況を実時間で把握する.
2.
対話的実時間映像生成:理解の結果得られた状況記述やネッ トワークを介して得た情報を人間に分かりやすい多様な形態の映像情報として 実時間で対話的に表現・生成・編集する.
ことを目的としている(図2.1).

Figure 2.1: 分散協調視覚システム
\begin{figure}
\begin{center}
\psbox[width=13.5cm]{figure/distributed-vision.eps}\end{center}\end{figure}

こうした分散協調視覚システムを利用すれば,

といった広域シーンを対象とした視覚認識システムのほか, さらには, が可能となる.(本プロジェクト研究の背景,目的,意義の詳細については, 1996年度の報告書を参照して頂きたい.)

1998年度は,夏の推進委員会による中間評価のための実地検分,秋の第2 回CDV国際ワークショップおよび年度末の推進委員会シンポジウムにおける デモに向け,精力的な研究,システム開発を行い,分散協調視覚の理論モデル の具体化およびそれに基づいた実時間対象追跡システムの開発,遠隔講義やサッ カーロボットといった応用を目指した試作システムの開発など,本プロジェク トの目的達成のための重要なステップを刻むことができた.

また,1998年7月の画像の認識・理解シンポジウム(MIRU'98)における 分散協調視覚特別セッションの開催に加え,11月には米国DARPA Image Understanding Workshopおよび 1st International Conference on Advanced Multimedia Content Processing において招待講演を行い,プロジェクトの国 際的認知度の向上および国際的研究交流の促進をはかることができた.199 9年9月にはドイツ人工知能会議において招待講演を行う依頼が来ており,研 究交流の輪がさらに広がることが期待できる.

さらに,研究の過程で生れたソフトウェアの一部については,企業との協同開 発による実用化を進めており,本プロジェクトの成果が目に見える形で社会に 還元される目処がたった.

以下では,本年度得られた研究成果の概要を述べる.





wsbmaster@vision.kuee.kyoto-u.ac.jp